歯周病治療の流れ

歯周病は歯の周り(歯周)の雑菌が増える条件を解消することで完治する病気ですので、進行度によって治療の流れも変わってきます。軽度の場合にはプラークコントロール(歯垢を取り除く)やスケーリングのみの治療で完治する場合も多いですが、症状が進行している場合には症状にあわせた治療を行います。

 

歯の状態を検査

自覚症状のあるなしに関わらず、まずは現在の歯の状態、歯肉の状態をチェックします。
この際のチェック方法としては
歯周ポケットの深さ測定 / 顕微鏡検査 / ガスクロマトグラフ検査 / 口内写真撮影 / パノラマレントゲンによる撮影 / 動揺度の測定 などによって行い、歯周病が認められる場合には進度がどの程度かを認識し、今後の治療法を検討していきます。

 

基本治療

歯周病の基本的な治療、定期健診での処置としてはプラークコントロール(歯垢除去)、スケーリング(歯石除去)が一般的です。詰め物や歯の咬み合わせによって歯肉や歯にストレスがある場合には咬合調整を行います。軽度の歯周病の場合や、歯周病の前段階である歯肉炎の場合にはこれらの処置によって経過を診ます。改善が見られない場合には次の段階の処置を施していきます。

 





歯周外科治療

歯周病が進行している場合には症状に適した治療によって歯周の改善を目指します。治療法としては次のようなものがあります。

フラップ手術・・・歯茎(歯肉)を切開し、歯肉の奥の歯石を除去する方法
歯肉切除・・・歯周ポケットをカットして一時的に浅くすることで雑菌がそれ以上増えることを防ぎ、歯肉の自然治癒を促す方法
GTR法・・・歯周病の進行で溶けてしまった骨などの上を特殊な膜を施すことによって、歯根の組織の回復機能を高める方法。
骨移植・・・歯周病の進行で溶けてしまった骨に別の骨(自分の骨や人工の骨など)を移植し補う方法。
歯槽骨整形・・・ 歯槽骨とは歯を受け皿のように支えている骨のことで、この歯槽骨の形状が歯の形に沿っていないことによって歯肉炎や歯周病を起こしていると判断された場合には、歯槽骨の変形部分のみを削り、整形することで症状が改善することがあります。
歯根分岐部分の治療・・・奥歯などの大きな歯の歯根は複数に分岐していますが、歯周病が分岐部分まで到達している場合には、歯根を分割し、セラミックなどで埋める処置が有効とされています。

 

定期健診 / メンテナンス

歯周病治療によって一度完治した場合も定期的なメンテナンスが必須となります。メンテナンスの処置としてはプラークコントロール / スケーリングが中心で、定期的に歯のメンテナンスを行うことで歯周病の再発を防止するだけでなく、あらたな歯周病の発生をおさえます。